ようこそ、ニッケルハルパの沼の入り口へ。
これより下は五月雨式にへんてこ楽器ニッケルハルパにまつわるトピックを紹介しています。説明やリンクが結構長く連なってますので、まずブクマしてください。
それぞれのブロックはニッケルハルパのトピックの説明になっていて、一部にはリンクがうめこまれています。押下すると別ページが開きリンク先に遷移します。
おしまいの方には、ニッケルハルパ以外のスウェーデンフォークのおすすめなども貼ってありますのでぜひご覧ください。
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ニッケルハルパ - Wikipedia
「知らないものに出会ったらまずwikiに頼る」という方はコチラ。スウェーデンで伝承されてきた、知られざるこの楽器の概要がわかります。起源については現在も考証が試みられている最中なので研究次第で書き換わるかもですが、歴史など大筋はこれで掴めると思います。 If you're one of those people who says, “When I come across something I don't know, I turn to the wiki first,” here it is. You can get an overview. The origin is still being investigated, so it may be rewritten depending on the research, but I think you can get a general discourse of the history here.
そもそもスウェーデンってどこ?
👆北ヨーロッパのスカンジナビア半島に位置する王国です。 ストックホルムから北数十キロのエリア(コブのように海に張り出してるあたり)でニッケルハルパが伝承されてきました。とても限られたエリアで営々と受け継がれてきたのです。
ニッケルハルパの各部位の名称
スウェーデン語/英語他でニッケルハルパの各部位の名称が示されています。ニッケルハルパを特徴づける鍵盤はスウェーデン語でknaverないしnycklar、共鳴弦はresonanssträngarといいます。 This page tells you about name of body-parts respectively.
共鳴 とは。
純粋な物理現象として、オクターブ違いの同じ音で調律された弦は、そのうちひとつが鳴ると、オクターブ違いの他の弦もつられて鳴りはじめます。ニッケルハルパは、弦の倍音共振を音楽的味付け方法として活用しています。演奏弦でメロディを奏でると、その刻々のタイミングで共鳴弦が順次振動しますが、共鳴弦は自然に減衰し止まるまで音を放ち続けるので、そのおかげでメロディで弾いた音が響き渡るような独特の余韻を醸します。お互いに響き合わない音が出た場合には振動を打ち消す作用もあるため、調感が浮立つ効果もあります。(小中学校でならった共振・共鳴現象を復習したい方はリンク先wikiをご覧ください)
Sorry, have a look this page😅https://en.m.wikipedia.org/wiki/Sympathetic_string
ご参考: ニッケルハルパ演奏の基本 - 楽器の構え方
「どうやって弾いてるの?」…ニッケルハルパの楽器の構え、弓、ボーイング、運指など、奏法のベーシックについてまとめた「ニッケルハルパ演奏の基本」シリーズがYouTubeにアップされてます。理解のためのヒントとしてご紹介しておきます。動画製作はニッケルハルパを演奏される本田さん。
How do you play it?" ...Mrs. Honda, a Japanese player, has uploaded a series of “Basics of Playing Nyckelharpa” on YouTube, which summarizes the posture of the instrument, bowing, bowing, fingering, etc. of the Nyckelharpa. We introduce it here as a hint for your understanding.
ご参考: ニッケルハルパ演奏の基本 - 左手の使い方
「ニッケルハルパ演奏の基本」シリーズの「左手の使い方」の回。鍵盤をどのように押さえるのか、実例紹介されてます。
ニッケルハルパの知名度
スウェーデン人に「ニッケルハルパ知ってる?」ときいて「知ってる」と答えるのはだいぶ物知りな人たちで、名前と見た目がしっかり一致してる人はあまり多くないようです。10年くらい前にはスウェーデンの50クローナ紙幣に描かれてましたが今は違うデザインになっていてニッケルハルパは描かれていません。なので最近の若年者は特に触れる機会がないので知る人は少ないかと。 そんな感じの‘’ギリ知ってる‘’楽器の似たキャラを挙げるなら、三線の類とかはすこし似てるかもしれないですね。
When you ask Swede, "Do you know Nyckelharpa?" then answers "yes", they are quite knowledgeable people. Not many people seem to be able to match the name and the appearance of Nyckelharpa. About 10 years ago, the nyckelharpa was depicted on the Swedish 50 krona, but now it has a different design and the it is not depicted on it. If you want to name a character that is similar to the instrument that you "just barely know", the sanshin might be a similar one to the nyckelharpa.
ニッケルハルパは普段使い
昔から生活の中で息づく伝統楽器なので、楽器というか民具の扱い。保管はリビングの壁に紐で引っ掛けるだけでそのまま。ホコリを被っても気にしない。 また演奏スタイルも、家でつま弾いたり、地域の演奏家の集まりで弾いたり、地域の伝統ダンス(いわゆるフォークダンス)の伴奏を少人数でやったり、、というのが基本。オケや室内楽といった決まった様式はなく、パート分けもなければスコアもないです。家族なり知人なり、誰かが弾いてるのを見て、聴きながら少しずつ覚えていくというかたちで弾けるようになり、それが馴染みの曲、そのグループのレパートリーとなって、受け継がれていきます。 こうあらねばというものはあまりなくゆるさが許容されます。「弾きたい時に弾きたいものを弾く!」という感じ。音楽って本来それでよくないですか? 気軽に、本人が楽しめば、それでよし!
一般の人たちの楽しみ方
Tobogubben, framförd på Nyckelharpstämman i Österbybruk 2015. Mer om svensk kultur: https://kulturbilder.wordpress.com
ニッケルハルパの中心地、スウェーデンのウップランド地方で行われているアルスペル(楽器を持ち寄って合奏すること)の様子。アマチュア演奏家たちも思い思いに音楽を楽しんでいます。伝統音楽界隈では、参加型の音楽フェス(ステンマ)が各地で行われていて、この動画のように奏者がプロアマ問わず一緒に弾いたりします。どんどん音を出して楽しむのがスウェーデン流。 A scene from an alspel (an ensemble of musicians who bring/play their own instruments together) in the Uppland region of Sweden, the center of Nyckelharpa. Amateur musicians also enjoy music as they usually do. In the traditional music world in SWE, such kind of music festivals (stämma) are held in many places, and as in this video, players play together both professionals and amateurs. It is the Swedish way to enjoy making more and more sounds😊
一般の人たちの楽しみ方その2
学生や若者の一部もfolkを楽しんでいます。これは音楽学校の学生たちによる演奏。 Melodi och motstämma: Ola Bäckström, arr: Niklas Roswall "ESI-All time Band" Some of our current and former students at Eric Sahlström Institutet (ESI) in Tobo, playing together with their teacher Niklas Roswall at one of the consert at Oktoberstämman, UKK (Uppsala concert Hall), 26th of Oct 2013.
ちょいちょいでてくる丸い目のコイツ
これは、今現代のニッケルハルパの先代にあたる、コントラバスハルパ ないし シルベルバスハルパです。これら先代は、音孔がf字ではなく丸で、また鍵盤や共鳴弦も完全なクロマチックではない不完全な音階でした。音はやや粗野ではありますが、聴き慣れてくると独特の暖かみやグルーヴを感じられたりしておもしろい楽器です。
コントラバスハルパの音
YouTubeで丸い目のやつ(コントラバスハルパ)のデュオが聴けます。 コントラバスハルパは、名前から推察すると低音を出しそうですが、それは誤解です。「コントラ」は対(つい)の意味で、演奏弦の配置を表している語です。 最近コントラバスハルパはその素朴さがウケて、演奏家が増えています。 Polska efter Jeppsson David Eriksson (kontrabasharpa) Josefina Paulson (kontrabasharpa)
ニッケルハルパがユネスコ無形文化遺産に!
ユネスコ無形文化遺産の一つとして、登録リストにおける第3の文化群「良好な保存慣行をもつ文化」に、ニッケルハルパネットワークが登録されました。音楽そのものと、楽器奏法や楽器製作法などのニッケルハルパにまつわる文化が、しっかりと形作られた人的ネットワークによって歴史背景と共に維持伝承されていることが評価され、2023年に登録されました。 The Nyckelharpa Network was registered as one of the UNESCO Intangible Cultural Heritage under the third cultural group “Cultures with Good Preservation Practices” on the list. It was registered in 2023 in recognition of the fact that the music itself and the culture related to the Nyckelharpa, such as the methods of playing instruments and making instruments, are well maintained by a human network that preserves and passes on the culture and its historical background.
オススメ奏者: Erik Rydvall
BGMとしていい感じのニッケルハルパを聴いてみたいぜ!って方にオススメ奏者を何人かご紹介。まずは、スウェーデンのニッケルハルパ奏者 Erik Rydvall。スウェーデントラッド(伝統曲)だけでなく、バッハやバルトークなどクラシックにも意欲的に取り組む俊英。彼のYouTubeチャンネルへリンクします。 For those who are interested in listening to nyckelharpa, I would like to introduce a few players whom I would like to recommend. First, Swedish nyckelharpa player Erik Rydvall, who is not only a Swedish traditional musician, but also an ambitious classical musician who plays Bach, Bartok, and other classical music. Here is a link to his YouTube channel.
オススメ音源: Isbrytaren
Rydvall Mjelva · Album · 2013 · 15 songs ニッケルハルパ奏者のErikとハーディングフェーレ奏者のOlavとのデュオバンド。スウェーデン/ノルウェーの伝統曲を彼らなりの解釈で演奏しています。颯爽として鮮やかです。 Duo band with nyckelharpa player Erik and Hardingfærle player Olav. They play traditional Swedish/Norwegian tunes with their own interpretation. Vivid.
オススメ奏者: Olov Johansson
スウェーデンを代表するニッケルハルパ奏者OlovのYouTubeチャンネル。彼はVäsen他著名なバンドでプレイヤーとして活動する一方、教育者として王立音大などで教鞭をとるなど後進の育成に尽力されています。 This is the YouTube channel of Olov, one of Sweden's leading nyckelharpa players. He is active as a player in Väsen and other well-known bands, and at the same time, he is a teacher at the Royal College of Music Stockholm and other schools, making an effort to train younger players.
オススメ音源: I lust och glöd
Olov Johansson · Album · 2007 · 22 songs Olovのソロアルバム。現代のニッケルハルパ(クロマチスク)だけでなく、コントラバスハルパやフィドルなども演奏しています。いくつかのトラックで共演しているMarkusの演奏も必聴。 Solo album by Olov. He plays not only the modern nyckelharpa (chromathesque), but also kontrabasharpa, fiddle, and more. Markus, with whom Olov collaborates on several tracks, is also a must-hear.
オススメ音源: Väsen
スウェーデンのスーパートリオバンド。
オススメ奏者: Josefina Paulson
Swedish traditional folk musician on nyckelharpa 今ノリにノッてる女性ニッケルハルパ奏者。演奏は極めてナチュラル、素朴さとあたたかさを感じることができます。スウェーデントラッドだけでなく、フランドルガリシアイタリアなどなど…ヨーロッパ各地のトラッド奏者と積極的にコラボするなど、ボーダーレスに活躍中。 One of star nyckelharpa player, Josefina. Her playing is extremely natural, and you can feel her simplicity and warmth. She is active not only in Swedish traditional music, but also collaborates actively with trad players from all over Europe.
オススメ音源: Ellen och jag
Josefina Paulson · Album · 2025 · 13 songs ヨセフィーナの最近のアルバム。基本的にニッケルハルパ1本録り、その魅力がダイレクトにわかります。 Josefina's recent album. It is basically a single nyckelharpa recording, means the charm of this instrument is directly apparent.
オススメ奏者: Anders Mattsson
Folkmusik och låtar på nyckelharpa upplandslåtar swedish folk music, traditional swedish music ニッケルハルパ中興の祖、Eric Sahlström直系のニッケルハルパ奏者。どの演奏も歌心に溢れていてしみじみとします。
オススメ奏者: Johan Hedin
神がかり的な演奏を聴かせるニッケルハルパ奏者Johan Hedin。中の人イチオシ奏者。 Johan Hedin is an insane nyckelharpa player.
日本ニッケルハルパ協会公式ウェブサイト
ニッケルハルパ奏者のコミュニティとして日本ニッケルパルパ協会があります。ニッケルハルパの普及を通して、スウェーデンの温かな生き方を伝えていくをモットーに活動しています。会員随時募集中。ニッケルハルパの体験会や、月2回程度セッション会を開催していますので、興味のある方は協会窓口へお問い合わせください。 The Nyckelharpa Society of Japan is a community of Nyckelharpa players. Our motto is to convey the warm Swedish way of life through the promotion of Nyckelharpa in Japan.
TokyoScandiSession東京北欧セッション
ニッケルハルパや北欧音楽の演奏に興味を持った方は、東京北欧セッションTokyo Scandi-Sessionに立ち寄ってみてはいかが?毎月第三土曜日に東京で定期開催されている、北欧伝統音楽のセッションです。どんな楽器でも、曲を知らなくても、興味があればどなたでも歓迎。 If you are in Japan then you are interested in Nyckelharpa /Scandinavian music, you might want to stop by Tokyo Scandi-Session Tokyo Scandi-Session! This session of traditional Nordic music is held regularly on the third Saturday of every months in Tokyo. All are welcome, no matter what instrument you play or if you don't know the music, just enjoy it.
Harpbyggare | ニッケルハルパ製作家
リンク先は、本国スウェーデンのニッケルハルパ協会の、ニッケルハルパ製作者一覧ページ。ニッケルハルパの普及のために楽器を製作し提供している方々が挙がっています。スウェーデン国外の製作者として登録があるのは現在10名、うち日本人は1名。 この協会名簿外でいえばイタリアクレモナに日本人製作家が1人います。
This is a list of nyckelharpa makers who belong to the Nyckelharpa Association in Sweden. The people who are making and offering instruments for the promotion of the nyckelharpa are listed. There are currently 10 registered makers outside Sweden.
Naoki Nyckelharpa – nyckelharpa builder in Japan
日本で唯一ニッケルハルパをイチから作っている人。年2台のペースでクロマチスクニッケルハルパを製作している。スウェーデンの現代のニッケルハルパ製作法にならっていて、クセのない楽器を製作する。スウェーデンニッケルハルパ協会会員。オーダーを取って製作するのではなく楽器ができたタイミングで購入者を募る形で提供している。横浜市のダルシクラフトがディーラー。
楽器工房ダルシクラフト DulciCraft
日本で唯一?、新品ニッケルハルパの仕入れから保守メンテまでをワンストップでカバーできる修理工房。横浜市南区にあるレインボー倉庫にて営業中。ニッケルハルパの他にも、ハンマーダルシマー、アパラチアン・マウンテンダルシマー、アイリッシュ・ブズーキ、アイリッシュ・ハープ、カンテレ、アルパなどの購入、修理、調整も行っています。
オススメ音源: スウェーディッシュフィドルVågspel
ニッケルハルパのバンド以外にも、例えばフィドルや笛などを使ってかっこいいスウェーデンフォークを弾く人たちがたくさんいますのでご紹介。
オススメ音源: フィドルバンドMaskin
Olov Johansson · Album · 2017 · 21 songs
オススメ音源: Spöket i köket
ごった煮バンド。
オススメ音源: FAV_SCANDIFOLK_POP
Playlist · Nyckelharpan · 121 items · 8 saves
ご覧くださりありがとうございました!
ニッケルハルパについて知っていただけてとてもうれしいです!またどこかでお会いしましょう✨
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